資本主義化 convert to capitalism 2003 8 26

 新聞を読んでいると、「国民一億人が全員、中流階級」という記事を見つけました。
この記事で、思い出すのが、学生時代に読んだ論文です。
 この論文は、こう書かれていました。
資本主義経済において、国民の大部分が中流階級になることはありえない。
日本は、資本主義国ではなくて、社会主義国である。
社会主義国で唯一、成功したのが、日本である。
そう書いてありました。
 日本の産業や業界は、規制、行政指導、商慣習によって、
自由な競争が妨げられているのです。
 もちろん、日本が戦後復興していく過程では、
このような「規制、行政指導、商慣習」は必要だったのです。
 しかし、戦後復興が終わった時点で、
新しい社会制度を確立すべきだったのです。
 そのチャンスは、バブル経済の前にあったはずです。
かつて、戦後は終わったという議論がされた時代がありました。
「規制、行政指導、商慣習」が、
戦後体制を、そして社会主義体制を象徴しているのです。
 次のチャンスは、バブル経済の時でした。
この時、産業構造の転換を図れば、
誰も、つらい思いもしないで、産業構造の転換はできたのです。
 にもかかわらず、この二度のチャンスの時に、
日本は、先祖帰りをしてしまったのです。
これは、政策ミスがあったということです。
 そして、現在。
今、日本は、社会主義国から資本主義国へ転換をしているのです。
 しかし、この作業を不景気の時に行なうから、
不幸な人たちが多くなってしまうのです。
しかし、子供の夏休みの宿題と同じく、締め切りは近い。
 社会主義というものは、大きなコストがかかるのです。
日本で、大きな油田が発見されたならば、ともかく、
「打ち出の小槌」がないならば、資本主義化して行くしかないのです。
 それにしても、雇用は守らなければなりません。
あくまでも、ひとつの例ですが、
今は、週休2日制ですが、これを週休3日制か、週休4日制にして、
サラリーマンに副業を認める。
そして、給料はカットする。
 特定の仕事に、一生、専念するのは、職人にとっては必要なことであるが、
普通の人には、それほど、必要ではない。
 むしろ、人生において、さまざま仕事をすることによって、
人間的に成長するし、視野が広くなる。
 毎日、会社と家の往復、これでは、住んでいる世界が非常に狭くなり、
人間的にも狭くなります。
そして、視野も狭くなります。
視野が狭くなるということは、人生が狭くなるということです。

 さて、私は、あの論文によって、大学での研究テーマを決めたのです。
「規制によって守られた業界を、自立して自由な業界へ」という研究テーマです。
 このテーマを持って、夏休みに、先輩を訪れましたが、
銀行業界の先輩、通信業界の先輩、電力業界の先輩、
テレビ業界の先輩、誰も相手にしてくれませんでした。

ところで、これで、自民党が部分的には社会主義政党であったということが、わかったでしょうか。